種を蒔く人

フィギュアスケートとX JAPAN。聖書の神様を信じています。

荒川静香と村主章枝 明なのか暗なのか

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荒川静香がトリノ五輪で金メダルを取った時、やっぱり、と嬉しい気持ちで一杯でした。

スルツカヤもコーエンも荒川静香が本気を出したら勝てない。スルツカヤはジャンプは高いけれど全てが雑。コーエンはポーズは綺麗だけど肝心のエッジワークがイマイチ。彼女はフィギュアスケーターというよりも新体操の選手だった。

私は荒川選手が金メダルを取ると思っていた。それは2005年全日本の表彰台での彼女のくやしそうな顔を見て、あ、火がついた、と思ったから。ようやく彼女に火がついた、これはやるな、と。

それまでの彼女は負けても結構平気そうな顔をしてたので。

そしてトリノ五輪での彼女は、今まで見た彼女の中で一番綺麗だった。

勝つ人は身体も精神も充実しているから綺麗になる。顔色や顔艶も一つのバロメーター。そしてあの時の彼女にはそれプラス自信と王者の風格があった。

コーチを変え、プログラムを変え、振付を見直し万全の準備を整えた。そして試合では確実なジャンプを選んで、賢く戦った。だから金メダルだった。

3-3が無くても、レベルが高くないと言われても、あの日一番いい演技をしたのは彼女だから、金メダルで当然なのです。

そして4位の村主選手。

荒川選手に「おめでとう」の声をかけることが出来なかったのですね。敢えて彼女をかばうとすれば、あの時の彼女にはそんな心の余裕はなかったのだろうと。

あのフリーの演技を見ればわかる。彼女にとってあれが精一杯。なのに余力を残した荒川静香が金メダルを取っていった。この歴然とした実力の差を目の前につきつけられ、彼女が冷静でいられなかったとしても仕方がない気がする。

彼女の集中力は大したもので、二度五輪に出場しているが一度も転倒していないのだ。これは凄いことだ。ここ一番での彼女の底力は本当に凄い。

天才肌の荒川静香と努力型の村主章枝。村主選手は器用か不器用かといったら不器用なほうで、身体が固い。そんな彼女にとって器用で身体の柔らかい荒川選手は、嫉妬と羨望の入り混じる相手だったのだろうと思う。

長野五輪こそ荒川選手に敗れて出場できなかったけれど、それ以降の成績は彼女のほうが上。直前の全日本も彼女が優勝した。私がチャンピオン。けれどその誇りがあの時に崩れてしまった。

荒川選手は本当に器用な選手。何でも出来る選手でした。試合中にとっさの判断でジャンプの構成を変えることが出来る。コンビネーションジャンプにトゥループだけでなく、ループもつけられる。

そしてあの身体の柔軟さ。スピンもスパイラルも色々なポジションが取れて、本当に沢山のことが出来る選手でした。…だから逆に器用貧乏になってしまったとも言えますが。

山岸凉子の「アラベスク」という漫画があります。主人公のノンナはバレリーナで、ある時主役の座をラーラという天才少女と争うことになる。結果ラーラが主役の座を勝ち取るのですが、彼女はあまり練習熱心ではなく、何度も遅刻をしてパートナーとの息があわなくなっていく。そして結局は自分から主役の座を降りて、女優になってしまった。

ノンナにはそんな彼女が理解できない。どうしてそんなに簡単に辞められるのか、ようやく獲得した主役の座を、なんでそんなに簡単に捨てることができるのか。

そんなノンナに「それは彼女が天才だからだよ」と教えてくれる人がいた。天才だから主役の座は簡単に手に入った。だから彼女にとってそれは、それほど大切なものではなかったのだと。

村主選手は、荒川選手が世界選手権で金メダルを取った後に引退すると聞いた時、「何で辞めるのかわからない」と怒ったそうですが、ちょっとこの「アラベスク」の話を思い出してしまいました。

トリノ五輪金メダル後あっさりと引退した荒川さんと、その後も次のオリンピックを目指して現役生活を続けた村主さん。本当にどこまでも正反対な二人でしたね。

しかし人生は長いのです。現役生活なんて20代という人生のホンの一部の出来事。通過点でしかありません。

もしかしたら色々とあった村主さんのほうが良い人生を歩めるかもしれない。人間勝者よりも敗者のほうが多いのだから、その人達に寄り添った生き方ができるかもしれない。

実際にフィギュアスケートの解説は、村主さんのほうが荒川さんよりも愛があるように思えます。

荒川さんは結婚して子供が出来、自身のアイスショーを持ち、そして何よりも日本スケート連盟の副会長です。若くして全てを手に入れたように見えます。

でもだからといって幸せだとは限りません。実際は沢山の責任をかかえて毎日がストレスの日々かもしれない。守る物が多すぎてしんどいかもしれない。

それに比べたら失う物が何もない(失礼)村主さんのほうがより自由だし、身軽に好きなことが出来るでしょう。

ヌード写真や女性パートナー探しのことは忘れるとして、実際に振付師になるべくカナダを拠点にして、カナダのジャッジテストにも合格したんですよね。コーチ業でも食べていけるし、是非現場で活躍していって欲しいです。

世界のギリギリのところで戦ってきた彼女なら、きっと成功できると思います。


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* Category : 荒川静香&村主章枝

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